プリンセスカットは王女たる豪華な輝きを誘うダイヤモンド

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プリンセスカットは王女たる豪華な輝きを誘うダイヤモンド

2022.08.6

プリンセスカットのダイヤモンドは、ファンシーカットの中で最も人気があります。その名の通り、ファンシーの女王です。ティファニーのプリンセスカットの婚約指輪は特に人気があり、結婚指輪でも使えるリングブランド3選も紹介。クラシックな横方向とモダンな縦方向、セッティングによって見せる表情も違います。

執筆者はしまだです。米国宝石学協会GIAホルダー、年間30件以上の鑑定に携わる。現在、Gem-A FGA取得に向けて研鑽しています。記事の編集ポリシー・レビューガイドラインも併せてご確認ください。

プリンセスカットとは

プリンセスカットとは正方形または長方形のカットです。

4つの面取りされた側面を持つ逆ピラミッドのような形をしたプリンセスカットは、IDEXによるとラウンドブリリアントカットに次ぎ2番目に人気のあるカットで、セッティングによってもガラリと雰囲気が変わる（クラシックな横方向とモダンな縦方向）のが特徴です。プリンセスカットは他の伝統的なカットに比べて最も新しいカットの1つで、プリンセスという王族にちなむ名称は特別なダイヤモンドとして他のカットにない輝きと美しさを秘めています。

プリンセスカットは虹のような色のゆらめき（ファイア）が強く、ステップカットの持つ凛とした佇まいに加えて、ブリリアントカットの鮮烈なブリリアンスを併せ持っているのが特徴です。ダイヤモンドの名前と同じく、堂々と威厳に満ちた感覚を味わうことができるのがプリンセスカットです。

一方で、他のカットよりも細かいエッジが多く欠けやすいため、取り扱いやメンテナンスに気を使う必要があります。

プリンセスカットが婚約指輪として人気が集まる理由

プリンセスカットは婚約指輪として人気です。

例えば、目を見張る美しさを際立たせるようなカットデザインだと言うこともできます。実際にラウンドブリリアントカットのダイヤモンドで囲まれたプリンセスカットダイヤモンドの婚約指輪が最も人気がありました。

しかし本当に注目されているのはその価格です。エレガントな佇まいにも関わらず、プリンセスカットの婚約指輪は、同等のブリリアントカットに比べてカラットあたりの価格が安くコストパフォーマンスに優れているため注目されています。

プリンセスカットの婚約指輪がなぜ割安に買えるのか、つまり品質や人気の問題ではなく根本的なカット効率の問題で、原石からダイヤモンドの結晶をより多く残してカットできるから安く市場に出せるのです。

結婚指輪にプリンセスカットが欲しい

結婚指輪にもプリンセスカットを選ぶ人が増えています。

一番多いのは婚約指輪は王道のラウンドブリリアンスカットを選んで、結婚指輪をプリンセスカットにするパターンです。次に、婚約指輪もプリンセスカットだから結婚指輪もカットを合わせるパターンです。最近では結婚指輪とセットで婚約指輪を日常的に身につける人も多く組み合わせも重視されるようになりました。

つまり、日常的に着けることを考えてシンプルなデザインを選ぶ人が多く、数少ないアクセントとしてプリンセスカットが人気を集めています。プリンセスカットはその特徴から他のカットに比べて欠けやすいため、慣れの問題にはなりますが日常使いの際に取り扱いを配慮する事を忘れないようにしましょう。

プリンセスカットのリングで注意したいのは

プリンセスカットのグレードガイドラインがデビアス社により正式に発表されたのは2019年です。

それまでは2~4段の異なるシェブロンファセットを持つプリンセスカットが多く存在していましたが、以来エクセレントカットではシェブロンファセットは3段に固定されました。また、プリンセスカットはスクエア･モディファイド･ブリリアント（Square-Modified-Brilliant）と表記されている事もあります。

プリンセスカットの欠けやすさを防ぐためにはリングのセッティングに注意しましょう。4つのV字型プロング（ふくろ爪）や、それぞれの角に2つずつプロングがある8つのプロング（スプリットプロングと呼ばれる）を持つセッティング、または、ベゼルセッティング（覆輪留め）を選ぶと、角に傷がつかず、欠けにくくなります。