ダイヤモンド1カラットはの大きさ（直径）は5円玉の穴より少し大きい6.5mm、重さは0.2gです。値段は1カラットと言ってもピンキリで、カラーダイヤ（ブルー、ピンク、ブラック、ブラウンやシャンパンカラー）や人工ダイヤの最低・最高価格も調査しました。カルティエやティファニーの1カラットジュエリーの値段も紹介しています。
執筆者はしまだです。米国宝石学協会GIAホルダー、年間30件以上の鑑定に携わる。現在、Gem-A FGA取得に向けて研鑽しています。記事の編集ポリシー・レビューガイドラインも併せてご確認ください。
ダイヤモンド1カラット（ct）の大きさ
ダイヤモンド1カラットの大きさは0.2gです。
ダイヤに代表されるラウンドブリリアントカットの場合、基準となるプロポーションから逆算して重さだけでなく直径（6.5mm）も分かります。そもそもカラットは大きさではなく重さの単位なので、1カラットであれば、どのようなカットでも重さは変わりませんが、カットによって直径は前後しますので注意が必要です。
1カラットの大きさを身近なもので例えると、大きさでは重さ0.2gは塩ひとつまみ（平均値）、長さ6.5mmで丁度いいサイズではありませんが5円玉の穴（5mm）より少し長いサイズ感となります。重さは別にして、1カラットの大きさとして5円玉の穴を指にかざして大きさを見積もるのも手かもしれません。
一粒ダイヤ2カラットとの比較
一粒ダイヤ2カラットとの大きさを比較します。
1カラットに比べて2カラットだからと言って、2倍の大きさではありません。実は、重さは2倍になりますが、ちょっけいはおおよそ1.3倍です。一方で値段は4Cの各条件によって違いますが、2倍どころではなく少なくとも数倍からといった相場でしょうか。
ダイヤモンドの相場はどのように決まるのか
ダイヤモンドの相場は需給動向によって形成されています。
鉱山から採掘され市場に流通する供給量、そして4Cやトレンドなどの需要によってダイヤの値段が決まります。ダイヤモンドは大きさ（カラット）だけで希少性は決まり価値は高まり、値段を決める要素の1つではありますが全てではありません。ダイヤモンドの値段に関してはこちらの記事で詳しく掘り下げて解説しました。
天然ダイヤモンド1カラットの値段（価格）
天然ダイヤモンド1カラットの値段（価格）を紹介します。
現在、流通している1カラットの天然ダイヤモンドは2.6万点あり、最も安い値段はKカラー、SI2クラリティ、Very Goodカットで$1,590（IGI鑑定書）でした。最も高い値段はDカラー、IFクラリティ、Excellentカットで$19,410（GIA鑑定書）でした。
下記は各グレードの平均価格を投稿時点で集計し、ここでは1カラット、D~Mカラー、IF~SI1クラリティまでの値段をまとめました。
| 1カラット | IF | VVS1 | VS1 | SI1 |
| D | $16,110 | $12,835 | $9,618 | $6,517 |
| E | $13,899 | $11,331 | $8,910 | $5,691 |
| F | $12,068 | $10,581 | $8,516 | $5,837 |
| G | $10,888 | $10,225 | $8,204 | $5,690 |
| H | $8,573 | $8,710 | $7,208 | $5,443 |
| I | $7,041 | $6,300 | $5,640 | $4,690 |
| J | $5,737 | $4,957 | $4,544 | $3,768 |
| K | $4,636 | $4,070 | $3,471 | $2,987 |
| L | $3,912 | $3,344 | $3,083 | $2,600 |
| M | $3,203 | $3,053 | $2,805 | $2,338 |
1カラットの値段はマジックサイズとも呼ばれ、人気のあるカラット数のため大きく値段が上がります。
1カラットのダイヤを買いたいけど、予算が足りない場合には0.9ctを選ぶ人が増えています。その理由は、カットグレード（Excellent）さえ抑えておけば、肉眼ではほとんど見た目の違いがわかりません。1カラットかどうかでおおよそ値段は2割も変わるため、価格差をプレミアムと理解するかどうかで価値観が変わるようです。
ちなみに、天然ダイヤモンド1カラットの値段はガイ価格とも呼ばれ、ダイヤモンドの取引では重量×単価で値段を計算（小数点以下3桁まで）します。
ブルーダイヤモンド1カラットの値段
ブルーダイヤモンド1カラットの値段を紹介します。
ブルーダイヤはほとんど市場に出回っていません。ちょうど1点だけ、1カラットのブルーダイヤが市場に出回っていて、値段は$108,889でした。ブルーダイヤは相場があって無いようなもので、1カラット前後でも値段の幅が他のカラーダイヤより大きい事が特徴です。カラーダイヤの中ではレッドダイヤに次いでブルーダイヤの値段が高くなります。
一方で、人工ダイヤも少ないながら流通しています。値段は1万分の1で、1カラットでも$3,000前半から選べます。ブルーダイヤに関してはこちらの記事で詳しく掘り下げていますので併せてご覧ください。
ピンクダイヤモンド1カラットの値段
ピンクダイヤモンド1カラットの値段を紹介します。
ピンクダイヤは他のカラーダイヤに比べて流通量はありますが、人気があるため値段は高めです。1カラットのピンクダイヤは8点あり、最も安い値段は$25,946でした。人工ピンクダイヤは他カラーダイヤよりも流通していて、天然に比べ品質は多くが最上級クラスです。1カラットの最も安い値段は$2,900からでした。ピンクダイヤに関してはこちらの記事で詳しく掘り下げていますので併せてご覧ください。
ブラックダイヤモンド1カラットの値段
ブラックダイヤモンド1カラットの値段を紹介します。
天然のブラックダイヤは希少性があり、あまり流通していませんが、値段は安く、そのカラーの特性から個体差による価格差は少なくなります。1カラットの最も安い値段はおおよそ$1,637になります。ブラックダイヤに関してはこちらの記事で詳しく掘り下げていますので併せてご覧ください。
ブラウンダイヤモンド1カラットの値段
ブラウンダイヤモンド1カラットの値段を紹介します。ブラウンダイヤは最もイエローに次いで流通しており、Fancy DarkやFancy Deepなどブラックになる一歩手前でクラリティの良いものになると、1カラットの無色透明の最上級ダイヤより数倍の値段になります。ブラウンダイヤ1カラットの最も安い値段はおおよそ$1,300になります。
シャンパンカラーダイヤモンド1カラットの値段
シャンパンカラーダイヤモンド1カラットの値段を紹介します。
ブラウンダイヤでも昨今ではシャンパンカラーやコニャック、チョコレートとしてファンシーカラーに対する人気が高まっています。1カラットの最も安い値段はおおよそ$1,580になります。ブラウンやシャンパンカラーダイヤに関してはこちらの記事で詳しく掘り下げていますので併せてご覧ください。
人工ダイヤモンド1カラットの価格
人工ダイヤモンド1カラットの値段を紹介します。
人工ダイヤは技術革新に伴い天然と比べて品質が良く、値段が手頃になっています。最も安い価格は1カラットでも$970でした。天然ダイヤの3分の1以下の価格で、鑑定士でも特別な方法でないと区別が難しい品質のため注目を集めています。人工ダイヤに関してはこちらの記事で詳しく掘り下げていますので併せてご覧ください。
1カラットの婚約指輪を選ぶ人たち（有名ブランドの1カラット価格）
1カラットの婚約指輪やはり憧れの的です。
ゼクシィの調査によると、1カラット以上の婚約指輪を選んだ人たちは毎年2~3%ほど存在し、婚約指輪に100万円以上をかけているようです。実際にどのような婚約指輪を贈ったのかまでは調査されていませんが、1カラットの婚約指輪で人気のあるブランドを紹介します。
カルティエの婚約指輪1カラットの値段
カルティエの婚約指輪1カラットの値段を紹介します。
カルティエの婚約指輪は、カラットだけでなく4Cによってダイヤの品質も変わるため値段が変わります。婚約指輪として代表的なソリティアデザイン（ラウンドブリリアントカット、プラチナ）に的を絞って調査しました。
ちょうど1カラットの在庫はありませんでしたが、0.9~1.06カラットまであり、H~Fカラー、VS1クラリティという内訳でした。最も安い値段は0.9カラット、Hカラー、VS1クラリティで208万円（税込）でした。最も高い値段は1.03カラット、Fカラー、VS1クラリティで300万円（税込）でした。
ティファニーバイザヤード1カラットの値段
ティファニーバイザヤード1カラットの値段を紹介します。
公式HPでは、0.08ct~0.17CTまでしかオーダーできませんが、投稿時点でティファニー社のクライアントサービスに電話で国内在庫を確認しました。1カラット付近でプラチナ在庫なし、イエローゴールド在庫あり、ローズゴールド在庫なしでした。ダイヤの品質によって、値段は変動するようで定価はないため、お近くの店舗へ在庫をお問合せされてください。また、素材の予約は出来てもダイヤは既にセッティングされた状態で輸入されるようで、セミオーダーのように選べません。
ティファニーはダイヤの品質も一定ライン以上のものしかセッティングされないので、値段はざっくり200万以上といった相場感でしょうか。最も安い値段は1.15カラット（Iカラー、VS1クラリティ）で225万円（税込）、最も高い値段は1.08カラット（Dカラー、VS1クラリティ）で330万円でした。
為替の影響があるので、ドル円の動きを見ながら海外で買った方が安いかもしれません。アフターフォローやティファニーブランドとの付き合い（ロイヤルカスタマー）を考えるならば国内か。
ティファニーバイザヤードのネックレスに関しては、こちらの記事で掘り下げて解説していますので併せてご覧ください。
ダイヤモンド1カラットのピアスを選ぶなら
ダイヤモンド1カラットのピアスはとても贅沢なジュエリーです。
そもそもピアスなのでイヤリング以上に、紛失するリスクがとても高いジュエリーです。1カラットダイヤのピアスは、国際ブランドや国内大手では扱っていない事でも分かるかと思いますが、紛失する事を折り込んで4Cをダウングレードして選ぶのも手です。可能な限り安く、そして自由に4Cを絞り込みたい場合、ちょっと上級向けのダイヤモンド選びですが、既製品ではなくルース（裸石）から選びましょう。
ダイヤの1カラットピアスは、1カラットといったマジックサイズではなく0.9カラットに落とせば、同条件でも2割ほど値段を節約でき、4Cの他条件を優先して、ピアスに欠かせない輝き（ブリリアンス）や虹のような色のゆらめき（ファイア）を放つため、クラリティはSI1の最下限まで我慢し、カット（Excellent）やカラー（K~M）に予算を割くのはどうでしょうか。
すると、1カラットダイヤのピアスを作るために必要なルースは最も安い値段でMカラー、SI1クラリティ、excellentカットで$1,710（GAI鑑定書）からです。最も高い値段でもKカラー、VVS1クラリティ、Excellentカットで$4,060（GAI鑑定書）でした。両耳揃えたとしても、$4,000~$8,00で収まります。ピアス本体はプラチナで仕立てたとしても5万円前後でセミオーダーできます。
勿論、予算に応じて4Cを調整すれば、より品質の高い1カラットダイヤモンドが手に入れる事ができます。
あとがき
1カラットダイヤとしても値段はピンキリです。
全ての4Cを完璧に追い求めるのも1つの手ですが、それ以外にも十人いればそれぞれのダイヤ選びがあります。一生ものになる1カラットダイヤ、自分ならではの選び方を見つけてみませんか。
