ダイヤモンドを安い値段で探すなら、メレーダイヤがおすすめ。メレーダイヤならエタニティもおすすめですが、人気があり加工賃も一定水準を下げれず、値段は驚くほど安くなりません。一粒ダイヤのリングなら、4C品質を下げるしかなく、本格的なダイヤ選びをおすすめします。
執筆者はしまだです。米国宝石学協会GIAホルダー、年間30件以上の鑑定に携わる。現在、Gem-A FGA取得に向けて研鑽しています。記事の編集ポリシー・レビューガイドラインも併せてご確認ください。
ダイヤモンドを安い値段で探す前に知っておきたい
ダイヤモンドを安い値段で選ぶ場合、ダイヤの値段がどう決まっているか簡単にでも知っておきましょう。
まず、ダイヤの値段が決まるのは3つのポイントで、世界的な需給(トレンド)、中間マージン(物流や仲買人)、為替です。例えば、安いダイヤを買うために私たちが出来る事は限られていて、中間マージンの少ない店舗やブランドを選ぶことくらいでしょう。
為替では国内在庫の関係もあり、円高では海外ブランド、円安では国内ブランドが割安に感じるのではないでしょうか。実際には国内でダイヤは採掘されず輸入に依存しているため、在庫の仕入れ時期に左右されますが、どのブランドでも定番コレクションで安い値段に設定されていることはありません。
通販で買うダイヤモンドはなぜ安いのか
通販で買うダイヤモンドがなぜ安いのでしょうか。
どの通販サイトでも安い理由は中間マージンを省略出来ているからで、その費用が値段から差し引かれて安い値段で提供しています。また、一部にはダイヤ品質の低い、または明記しない(鑑定書なし)通販サイトもあり、本当に値段が安いのかどうか分かりにくいケースも少なくありません。
また、必ずしも通販が安いとは限らず、最寄りに仕入れに定評のある宝飾店(多くの場合は老舗店)があれば、通販サイトより安かったという声も少なくありません。そのため、最寄りの宝飾店では買うつもりが無くても参考までに相談してみましょう。
メレーダイヤモンドが安い
安いダイヤモンドを探すならメレ ー(メレ )ダイヤモンドがおすすめです。
フランス語のメレー(Melee)は小粒石という概念で、国際的には0.3カラット未満の小粒ダイヤが対象になりますが、日本国内では小粒ダイヤ(0.3ct前後)のジュエリーが主流なため、それより小さな0.1カラット未満をメレーダイヤモンドと呼んでいます。
ダイヤは総じてカラット数に比例して希少性が高まり値段が高くなるためります。例えばカラットだけで比較すると、1ctの一粒ダイヤは0.5ctの2つのダイヤ(合計1ct)より高くなります。つまり、一粒あたりのカラット数が小さくなればなるほど仮に合計1ctでも安くなります。
実際に、現在市場に出回っているメレーダイヤモンド(0.3ct)を最安値で比較してみると、1/3以下もの価格差があり、国内で主流のメレーダイヤモンド(0.1ct)になるとますます価格差が広がります。
一粒ダイヤの指輪で安いものを探したいなら
一粒ダイヤの指輪は最も高い指輪の種類になります。
ごまかしが効きにくいため、一 粒ダイヤの指輪選びには、少し本格的なダイヤ選びが必要です。ダイヤの品質を自分なりに調整してオーダー(セミ・フル)する方法が最も安く手に入ります。
例えば、大手ブランドでは一定基準以上の誰もに売りやすい、人気の高いダイヤ品質しか取り扱っていませんから、最寄りにある宝石店(可能なら老舗)へ相談する事をお勧めします。ダイヤの品質は4Cと呼ばれ、店舗では専門家からの助言を受けながら条件を絞り込んでゆく必要があります。
品質を左右するダイヤモンドの4C
ダイヤモンドの4Cとは、カラット(重さ)、カット(技術)、カラー(色)、クラリティ(欠点と内包物)から成る4つの頭文字Cを取っています。
4Cは国際的なダイヤ品質基準となっていて、カラットは重いほど、カットは正確なほど、カラーは透明なほど(ファンシーカラーダイヤは例外)、クラリティは欠点のないほど、希少性と人気が高まり値段が高くなります。宝石としての価値が認められない安いダイヤは工業用として利用されています。
安いダイヤを探す場合、4Cの中でも基準を下げて良いのはカラーやクラリティです。特に、ラウンドを始めとしたブリリアントカットや人気のあるプリンセスカットなどでは、輝きが左右されやすいためカットの品質は下げない方が良いでしょう。
4Cに関する詳しい解説は、こちらの記事で掘り下げていますので、併せてご覧ください。
ティファニーのダイヤ品質
ティファニーのダイヤ品質は値段に見合っているかは意見が分かれてしまいます。
ティファニーで取り扱っているダイヤの品質にはカラッとを除いた3Cの最低基準があります。例えば、クラリティは肉眼で欠陥が見当たらないVSクラリティ以上、カラーだとほぼ無色なダイヤであるIカラー以上と鑑別誤差が一定数生まれてしまうJカラーは取り扱っていません。カットに関しては、3EXとも呼ばれるトリプルエクセレントカット(婚約指輪のみ)が中心です。
つまり、ティファニーのダイヤ品質は多くの宝飾店で扱っている中でも最高級なのは間違い無いでしょう。
一方で、そのブランド料も含まれているため、決して安い値段ではありません。ダイヤの品質だけで選ぶならルース(裸石)から選べば良いのでしょうが、ティファニーはブランドにこそ価値があります。ダイヤモンドジュエリーとしての歴史、世界的に有名なデザイナーのコレクションなど、他では手に入れることのできない魅力があると言えるでしょう。
あとがき
人気の高いエタニティですが、素材のメレダイヤより加工賃が占める割合が高く安く手に入れるのは難しく、一方でもし仮に売却する際には価格が期待できないため、買う前に折り込んでおきましょう。