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プロポーズで指輪を贈るのは伝統的な慣習です。プロポーズ用に失敗しない指輪の選び方と値段の相場、プロポーズ後に婚約指輪を渡す裏技、指輪でなくダイヤモンドだけ贈るプロポーズ、あなたたちにとって正解の指輪を探すヒントを最新トレンドから紐解きましょう。
執筆者はしまだです。米国宝石学協会GIAホルダー、年間30件以上の鑑定に携わる。現在、Gem-A FGA取得に向けて研鑽しています。記事の編集ポリシー・レビューガイドラインも併せてご確認ください。
プロポーズに指輪を渡す風習はいつから始まった?
プロポーズに指輪を渡すのは古代エジプトで生まれ、古代ローマに引き継がれてゆきます。
古代エジプトでは、結婚の象徴として指輪を交換し、途切れない円を愛に見立て指輪で再現する事によって想いを形にしていました。実はこの頃、言い伝えによって左手の薬指は心臓と繋がる血管があり、結婚の証として薬指に指輪を身につけ、世界中にその習慣が浸透してゆきました。
一方で日本では、古くは和歌から始まり、恋文へと様々な求婚方法がありました。しかし、現代と違い恋愛結婚が社会的に認められたのは明治に入ってからです。現代で言うプロポーズが浸透してゆき、指輪が渡されるようになりましたが、プロポーズ自体が大衆化したのは戦後になって欧米文化が定着してからです。
婚約指輪としてプロポーズ用に準備すべきか?
婚約指輪はプロポーズ用に準備すべきでしょう。
最新おゼクシィの調査によると、ここ5年以上で7割以上のカップルたちが婚約指輪を渡しています。一方で、毎年3割弱のカップルは婚約指輪をプロポーズ用に準備していません。
その理由は、金銭的な理由が最も多く、次に普段使いしない、伝統的な習慣に興味のない合理的な判断などが挙げられていました。本当はプロポーズする相手に婚約指輪って必要?と聞いて判断するのがベストですが、統計情報から判断すると婚約指輪はプロポーズ用に準備しておいた方が無難でしょう。
プロポーズ用の指輪の選び方
プロポーズ用の指輪の選び方を紹介します。
まず、指輪の定番はどのようなデザインに人気があるのか知っておきましょう。そして、プロポーズに指輪が必要でない原因のトップだった値段の相場、昨今増えている婚約指輪をプロポーズ後に渡したり、プロポーズには指輪でなくダイヤモンドを贈ったりするケースも増えています。参考としたデータは、全てゼクシィ社が毎年行なっているトレンド調査を元にしています。
プロポーズで喜ばれる婚約指輪(デザイン)
プロポーズで喜ばれる婚約指輪はソリティアです。
ソリティアとは、皆がイメージするような婚約指輪で、一粒ダイヤが指輪に飾られた最もシンプルな指輪は毎年5割前後のカップルが採用しています。つまり、ソリティアの指輪はプロポーズの定番、王道だという事になります。
次に、喜ばれる可能性が高い婚約指輪は、メレです。メレとは、一粒ダイヤの両脇に小さなダイヤがセッティングされている指輪で、選ぶカップルは毎年3~4割を占めます。
つまり、ソリティアとメレで8割以上を占めるため、どちらかを相手の印象に合わせて選んで決める方法が最も一般的です。同じ値段だと、1石あたりのカラットが大きくなるソリティアを選べば華やかな印象を与え、メレだと華やかさは少し抑えられ普段使いしやすくなります。プロポーズ後に、どのように身につけて欲しいかイメージしてパートナーの印象にマッチする指輪を選びましょう。
プロポーズで渡す指輪の値段
プロポーズで渡す指輪の値段は相場があります。
例えば、0.3カラットのダイヤを選び指輪にセッティングするカップルが最も多く、値段は30万円台が相場になります。勿論、世代や年収によって千差万別で補正する必要があり、参考にしている調査の回答者は20代後半が過半数を占めている事に注意しておきましょう。
指輪の値段は給与の3ヶ月分、なんて話は今では時代遅れと言わざるを得ません。一方で、100万円以上の指輪を渡すカップルも毎年5%前後いるようです。
婚約指輪はプロポーズ後に選ぶという手も
婚約指輪はプロポーズ後に準備するカップルが増えています。
どうせ婚約指輪を贈るなら、相手の趣向に沿った指輪を手にして欲しいはずです。プロポーズに指輪を差し出さないため、カジュアルなプロポーズを想定している場合に相性が良い方法で、相手にもメリットがあります。
サプライズなどのインパクトに欠けるデメリットもありますが、一方的に婚約指輪を選ばないため失敗する事もなくなります。また、指輪を一緒に選べばそれ自体も楽しめますが、現実的な予算もパートナーに打ち明ける必要があるため格好はつきません。
プロポーズはダイヤモンドだけ贈る手も
プロポーズはダイヤモンドだけ贈るカップルが増えています。
プロポーズをする際に何も贈らないのはやはり気が引けます。一方で、プロポーズの時点で完成された婚約指輪を用意するには、彼女からの情報が足りません。そこで、指輪にダイヤをセッティングする前のルース(裸石)を指輪代わりに贈る手もあります。
メリットは、指輪のサイズやデザイン、素材などをプロポーズ後に決める事ができる点です。デメリットは、指輪にセッティングされていないためカラット数によっては迫力に欠けてしまうこと、指輪のデザインをエタニティにしたい場合には相性が悪い点です。
あとがき
プロポーズに指輪があれば鬼に金棒です。
一方で、合理的に考えてしまうと、プロポーズ自体がつまらないものとなってしまい、ロマンスのカケラもなくなります。親しい中にも礼儀あり、とはよく言ったもので、伝統的なプロポーズは一生の思い出となること間違いありません。