ダイヤモンドの価値はカラー(色)によってある程度決まります。一部のカラーダイヤモンドを除き、一般的なダイヤモンドでは4Cと言われる他要素がすべて同等でも、カラーレスに近い方が希少で、この希少性が価格に反映されてしまいます。カラーは23段階に細かく区分され、鑑定士によってブレてしまう評価基準の1つです。
この記事ではダイヤモンドカラーについて紹介します。ピンク、ブルー、ブラック、レッド、イエロー、ブラウン、ブルー、パープル、オレンジ、グリーン、グレー、ブラックなどのファンシーカラーダイヤモンドは別の記事で紹介していて詳しくはこちらをご覧ください。
執筆者はしまだです。米国宝石学協会GIAホルダー、年間30件以上の鑑定に携わる。現在、Gem-A FGA取得に向けて研鑽しています。記事の編集ポリシー・レビューガイドラインも併せてご確認ください。
ダイヤモンドのカラーについて
ダイヤモンドのカラーは一般的に無色から黄色系統です。
ごく稀にファンシーカラーダイヤモンドが発見され価値は一気に高まりますが、多くの場合は黄色の色調の違いによって評価されます。その理由は、カラーダイヤモンドで最も多い色がイエローだからです。黄色から褐色のカラーは普通に存在しますが、それ以外のカラーはずっと少なくなります。例えば、ブルー、ピンク・レッド・パープルなどの赤系統の色、さらには緑やオレンジになると希少性は一気に高まるため法外な価格になっている事をよく目にします。
ダイヤモンドは4Cで
ダイヤモンドの評価は4Cで決まります。
ファンシーカラーや大型は例外として、一般的なダイヤモンドは4Cと呼ばれるカラット(重さ)、カット(技術)、カラー(色)、クラリティー(欠点と内包物)によって評価され、需要や希少性も加味されて値段が決まります。4Cの中でもどの項目が優先されるのか、鑑定士によってブレが出やすい項目はどこなのか詳しい考え方については下記の記事にまとめたのでご覧ください。
ダイヤモンドのカラーグレード(一覧表)
ダイヤモンドはカラーグレードによって評価されます。
23段階に区分けされたマスターストーンを標準カラーとし見比べ、黄色が濃くなると評価が下がります。一部の例外として薄い黄色で美しく見えればファンシーイエローとして評価は跳ね上がります。カラーはDからZまで、アルファベットの早い文字ほど評価(価格)が高くなります。
カラーグレードは大きく分類されます。無色(Colorless)、ほぼ無色(Near colorless)、わずかな黄色味(Faint yellow)、非常に薄い黄色(Very light yellow)、薄い黄色(light yellow)となります。その中をさらに無色(D~F)、ほぼ無色(G~J)、わずかな黄色味(K~M)、非常に薄い黄色(N~R)、薄い黄色(S~Z)の23段階によって区分され、アルファベットの早い文字ほど評価(価格)が高くなります。
Dカラーダイヤモンドの価格帯
Dカラーのダイヤモンドは価格帯を紹介します。
例えば、0.2~1カラット、VVS1、Dカラー、Excellentという条件でルースをリサーチしてみました。最安値のみ抜粋すると、$480(0.2ct)~$8,700(1ct)からスタートという価格帯でした。ダイヤモンド個体数は2,421件あり、例えば、0.3ctの品揃えは186件あり最高値は$1,430と約2.5倍もの差がありました。
カラット | 最低価格 |
0.1ct | |
0.2ct | $480 |
0.3ct | $570 |
0.4ct | $980 |
0.5ct | $1,690 |
0.6ct | $2,390 |
0.7ct | $3,060 |
0.8ct | $4,780 |
0.9ct | $6,510 |
1ct | $8,700 |
ダイヤモンドのDカラーが希少な理由
ダイヤモンドのDカラーが希少な理由を紹介します。
まず、世界のダイヤモンド産出量のうち98%が窒素を10ppm以上含んだ黄色系統(1a型)になります。無色であるDカラーは、全体の約2%しか存在しない希少なカラー(2a型)で、ブルーダイヤモンドと呼ばれているのはDカラーの中でもホウ素をほんのわずか(0.06ppm以下)含んだ個体(2b型)になり、更に希少性が高まります。
カラー別ダイヤモンド価格比較表(DからJまで)
カラーとダイヤモンド価格の関係を紹介します。
例えば、0.2~1カラット、VVS1、Excellentという条件でDからJまで、4Cの他条件を揃えてカラーのみをルース(カット済の裸石)をリサーチしてみました。婚約指輪に代表されるようにジェエリーでは、無色(Colorless)、ほぼ無色(Near colorless)が対象になるのではないでしょうか。実際には同じ個体がないため正確な比較は難しいのですが、カラーの評価が価格にどれだけ影響されているか参考になると思います。
無色(Colorless) | ほぼ無色(Near colorless) | ||||
カラット | Dカラー | Eカラー | Fカラー | Gカラー | Jカラー |
0.2ct | $480 | $420 | $460 | $440 | NA |
0.3ct | $570 | $550 | $520 | $490 | $370 |
0.4ct | $980 | $920 | $970 | $760 | $570 |
0.5ct | $1,690 | $1,570 | $1,520 | $1,330 | $940 |
0.6ct | $2,390 | $2,180 | $2,040 | $1,850 | $1,310 |
0.7ct | $3,060 | $2,760 | $2,850 | $2,580 | $1,470 |
0.8ct | $4,780 | $4,290 | $3,840 | $3,550 | $2,480 |
0.9ct | $6,510 | $6,250 | $5,900 | $4,830 | $3,590 |
1ct | $8,700 | $8,020 | $8,120 | $6,680 | $3,940 |
あとがき
ダイヤモンドを購入する際にカラー選びは重要です。
特に、イエローゴールドにセッティングする場合には石の暖かみを引き出してしまうため、カラーグレードを上げる必要があります。逆に一気に落としてしまうと価値のないジュエリーになってしまうので、妥協せずファンシーイエローのダイヤモンドを探したいところです。