一粒ダイヤピアスの選び方を紹介します。この記事では、30代、40代(別記事)、50代それぞれの特徴に合わせての選び方、ブランドによって印象も変わるため、おすすめする年代とその理由、一粒ダイヤピアスの大きさによって変わる18Kとプラチナの合わせ方、メンズは片耳をおすすめする理由などをピックアップしました。
執筆者はしまだです。米国宝石学協会GIAホルダー、年間30件以上の鑑定に携わる。現在、Gem-A FGA取得に向けて研鑽しています。記事の編集ポリシー・レビューガイドラインも併せてご確認ください。
ひと粒ダイヤモンドピアスの魅力
ひと粒ダイヤモンドピアスの魅力は美しさの本質に迫っている普遍的なデザインです。
一見すると、ひと粒ダイヤはなんだか物足りない気がしますが、他ジュエリーとの組み合わせや着飾ることのない本来の美しさを表現してくれるピアスはひと粒の他にはないと言っても過言ではないでしょう。主張したデザインより、ひと粒ダイヤそれ自体の美しさを自然に重ね合わせたい人にはピッタリです。
極限にまで不要なものを削ぎ落としたシンプルさは、トレンドや性別、年代を問わないタイムレスな美しさを放ち、どのブランドを選んでも重宝できます。また、普段使いできるピアスとしては、ひと粒ダイヤモンドピアスに並ぶピアスはありません。上品な雰囲気を纏うひと粒ダイヤモンドピアスは、TPO(普段使いから仕事、冠婚葬祭など)を問わず、着用頻度はピアスの中でも最も高くなるため、お買い得でもあります。
一方で、デメリットもあります。それはひと粒ダイヤモンドといったデザインではなくピアス自体が紛失しやすいため、ひと粒ダイヤモンドピアスはどのようなブランドも決して安くないため、無くしてしまった時のショックは大きく、ピアスの扱いに慣れてから手に入れるようにしましょう。もしくは、いっそのこと割り切って考えてしまい、無くしてしまっても許容しやすい値段のひと粒ダイヤモンドピアスを選ぶようにするのも手。
一粒ダイヤピアスの大きさと素材
一粒ダイヤピアスの選び方で年代に関わらず大切なのは大きさと素材です。
大きさと素材によって印象はガラリと変わり、30代、40代、50代で正解はなく、自分に似合う一粒ダイヤピアスを探す必要があります。年代に関わらず手がかりとなるポイントを紹介しておきます。
一粒ダイヤピアスの大きさ
一粒ダイヤピアスの大きさは耳たぶやイメージしている印象によってバランスを調整しましょう。
そもそも、一粒ダイヤピアスと言っても一粒ダイヤのカッティング(ペアシェイプやプリンセスなど)によって大きさ(直径)が変わります。一般的な一粒ダイヤピアスであるラウンドブリリアントカットであれば、カラット数から目安となる直径(大きさ)が分かります。
例えば、0.3カラットであれば直径は4.3mmで、1カラットになると6.5mmになります。注意したいのは、一般的な爪ではなくベゼルセッティング(覆輪留め)などのように一粒ダイヤを囲うようなデザインのピアスでは、肉眼で見るとカラット以上の見栄えが期待できるため、試着の難しいピアスですが実物(サンプルでも可)を自分の耳に当てて最終判断するのを忘れないようにしましょう。
カラット数に応じた直径に関して、詳しくはこちらの記事で掘り下げて紹介していますので併せてご覧ください。
1カラットの一粒ダイヤピアス
一粒ダイヤピアスで憧れるのは1カラットでしょう。
ピアスに限らず、婚約指輪(結婚指輪)やネックレスでも、ダイヤモンドジュエリーの憧れは1カラットで、国内では1カラット未満の小さめなダイヤが人気を集めています。一方で、海外ではダイヤモンドジュエリーといえば、1カラット以上が人気を集め、ダイヤの品質(4C)を下げてでもダイヤの大きさにこだわる人も少なくありません。
1カラット以上の一粒ダイヤピアスともなれば、ジュエリーコレクションの中でも間違いなく主役級ではないでしょうか。一粒ダイヤピアスを主役にしたコーディネートを考えている場合、ワンピースやドレスなどのシンプルな構成と抜群に相性が良く、上品さをワンランク上げてくれるピアスとして一生ものに成り得ます。
一粒ダイヤピアスは18K?それともプラチナ?
一粒ダイヤピアスは18Kとプラチナどちらにしようか悩んでしまう人も多いでしょう。
どちらを選ぶか完全に好みで決めてしまっても良いでしょう、ここでは一粒ダイヤピアスに似合う選び方を紹介します。まず、18Kとプラチナどちらを選ぶかで一粒ダイヤピアスの印象は大きく変わります。
例えば、カラットが大きな一粒ダイヤピアスはダイヤそのものの品質(4C)が目立ちやすく、一粒ダイヤのカラーグレードがNカラー以下など低い場合には18K(イエローやピンク)を選ぶ事によって自然と馴染んでくれます。
逆に、一粒ダイヤの品質をアピールしたい場合には、プラチナを選ぶ事で、本来の美しさである輝き(ブリリアンス)や虹のような色のゆらめき(ファイア)を際立たせてくれます。つまり、カラットが小さな一粒ダイヤピアス(0.3カラット未満)では18K、プラチナどちらを選んでも見た目はそう変わりません。
同じような考え方で、ファンシーカラーの一粒ダイヤをセッティングしたピアスも18Kがおすすめです。例外として、ブルーダイヤをピアスにする場合には18Kより青色が映えるプラチナの方が似合うでしょう。
また、金属アレルギーを懸念している人は、18K、プラチナでも引き起こしてしまう可能性があるため、サージカルステンレス(医療用ステンレス)などアレルギー性の低い素材も選択肢に入れ、18Kやプラチナを外してしまうのも手。
30代なら必ず欲しい一粒ダイヤピアス
30代なら必ず欲しい一粒ダイヤピアスを紹介します。
一粒ダイヤピアスはジュエリーコレクションの中で最も着用頻度が高くなります。やはり、歴史があり信頼できるブランドを選び、その世界観を見に纏ってみたいと思うはずです。一粒ダイヤピアスは出会いで、あなたならではの特別な思い入れによって育ってゆきます。
例えば、その思い入れがファッションセンスにも表れ、立ち居振る舞いにまで影響します。時には一粒ダイヤピアスひとつで、同じ服でも表情が違って見えてくる、そんな影響力を持っているのが一粒ダイヤピアスです。
30代でまずはこだわり一品を
30代だからこそ思い入れのある一品をおすすめします。
一粒ダイヤピアスを見た目かブランド、どちらを重視して選んでも一向に構いません。しかし、30代でこだわりたいのは「自分らしい選び方」です。おすすめは見た目から選ぶよりブランドから選ぶ方法を紹介します。
まず最も手っ取り早いのは、お気に入りの国からブランドを絞り込み、最終的に見た目やブランドストーリーで決める方法です。フランス、英国、アメリカ、そして日本などが手始めでしょうか。
数多くのブランドがありますが、ハリー ウィンストンやミキモト、俄(NIWAKA)などそもそも一粒ダイヤピアスを取り扱っていないブランドも少なくないため、30代のあなたにしか出会えない一粒ダイヤピアスを探す旅に出かけましょう。
30代なら予算より少しだけ高めの一粒ダイヤピアスを
30代なら注意したいのが安物買いの銭失いです。
一粒ダイヤピアスは洋服やTPOを問わず大活躍します。そのため、ジュエリーの扱いに慣れた30代には他のジュエリーより予算を増やして買ったとしても着用する機会が多いため、結果としてお得なお買い物になってしまいます。
見た目がそう変わらないから、どれを選んでも一緒だろうと思うのも仕方ありません。ここでのポイントは値段でどちらを買おうか迷った時、予算より少しだけ高めの一粒ダイヤピアスを選ぶ事です。
そうすることで思い入れも増し、着用する度に幸福感が生まれ、そのお裾分けを周囲に与える心の余裕が持てれば、エネルギーが人生で最も必要な30代にとってお値段以上の価値があるはずです。
30代を華やかに彩るカルティエ
30代におすすめしたいブランドはカルティエです。
カルティエの魅力を今さら語る必要もないかもしれませんが、カルティエは世界5大宝石商に数えられ、フランス(パリ)を代表するハイブランドの1つです。世界中の王室から愛され、今では世界16各カ国の王室御用達として「王の宝石商(Jeweller of kings)」と呼ばれる一方で、誰もが気軽に手に入れる事のできるコレクションも多く、そのエキゾチックなデザインとブランドの品格に定評があります。
なぜ、30代におすすめするブランドとしてカルティエを選んだのかと言うと、カルティエのイニシャル「C」をモチーフにしたCドゥカルティエをおすすめするためです。
Cドゥカルティエは、カルティエと一眼でわかるデザインは一粒ダイヤピアスに最適で、魅力はカラット数が国内在庫次第ですが1カラット以上など自由に選べ、ダイヤの品質(4C)に応じて値段が決まります。
今までのカルティエの扱うダイヤの傾向から相場の目安としては0.1カラットあたり20万円前後といった印象です。Cドゥカルティエはプラチナはなく、ゴールドのみ(ホワイト・イエロー・ピンク)の3色展開です。
40代で選びたい一粒ダイヤピアスたち
40代で選びたい一粒ダイヤピアスを紹介します。
詳しくは他の記事で特集をしているため、ここではサマリーだけ触っておきます。まず、40代が選ぶ一粒ダイヤピアスで外せないポイントは、第一に普段使いのしやすさが挙げられます。一粒ダイヤピアスはシンプルなデザインだからこそ、実は細かい部分での違いが普段使いに大きな影響を与えてしまいます。
次に押さえておきたいポイントとして、40代になるとジュエリーに使える予算も増えてくるため、イメージの合うカラットを選べるようになります。特に一粒ダイヤピアスの場合、カラットが大きければ良いといった訳ではありません。下品な印象にならないよう自身の雰囲気(耳たぶ、他ジュエリーとの組み合わせ)に合わせてバランスを整えるよう、40代ともなれば気を遣える余裕が持てるはずです。
おすすめのブランドはティファニー、やはりブランド品だと気取らないデザインの一粒ダイヤピアスが40代にはおすすめで、仮に気取るならネックレスや指輪に力を入れバランスを取りたいところ。
詳しくはこちらの記事で掘り下げて紹介していますので併せてご覧ください。
50代から真価を発揮する一粒ダイヤピアス
50代から真価を発揮するのが一粒ダイヤピアスです。
年齢とともに美しさという考え方や捉え方は異なります。例えば、仮に表現は違っても、変化には基本(軸)あってこそ違いはより明確になってゆきます。つまり、一粒ダイヤピアスはシンプルなピアスを代表する究極のデザインで、本来の自分自身のポジションであり美しさの根源にさえなります。
そのベースをアップグレードするのに一粒ダイヤピアスの刷新は魅力的な提案の1つです。普段使いから仕事、時には冠婚葬祭までワンランク上のピアスを手に入れる機会は50代しかありません。
50代にはシンプルな美しさの表現力がある
50代だからこそ余計と思えるものは削ぎ落としシンプルな美しさが似合います。
「シンプルさは究極の洗練である(レオナルド・ダ・ヴィンチ)」や「Less is more(ミース・ファン・デル・ローエ)」など歴史に残る偉人達が晩年に残した名言で、美しさの本質に迫った一言の1つではないでしょうか。
それでは究極の一粒ダイヤピアスとはどのようなものか考えてみましょう。例えば、一番分かりやすいのはカラット数を上げ1カラット以上の一粒ダイヤ?それとも、ピンクやブルーなどファンシーカラーダイヤ?かもしれません。
どちらも至高の一粒ダイヤピアスに間違いありませんが、あなたにとって究極かどうかは別の問題です。普段使いから仕事、冠婚葬祭まで全てのシチュエーションで使いたいと思える一粒ダイヤピアスがあなたにとって究極なのではないでしょうか。
50代で意識しておきたい別の選択肢
50代から意識しておきたいのは一粒ダイヤピアスの他に一粒パールピアスにも魅力を感じているのではないでしょうか。
どちらが似合うのかは置いておき、同じシンプルさを追求した究極のピアスでどちらもTPO問わず着用でき便利です。真珠はダイヤと同じく世界5大宝石にも名を連ね、日本でも古くから重宝されてきました。
特に和装をする機会が多い場合には、ダイヤより真珠の方が相性が良いかもしれません。一方で、真珠はダイヤと比べて保管方法を誤ると時間と共に劣化が進んでしまいやすい宝石なので取り扱いには注意が必要です。
50代ならファンシーカットが美しいミキモト
50代ならファンシーカットに挑戦できるミキモトをおすすめします。
ミキモトは国内最大手ブランドで、パールだけでなくダイヤも扱っています。国産ブランドとしての歴史とジュエリーメンテナンスなどの安心感があり、パールに比べピアスのコレクション自体は限られていますが、一粒ダイヤピアスは国際ブランドに比べ同等以上の良質なダイヤが使われています。
50代に入って、是非ともおすすめしたいのがファンシーカットを採用した一粒ダイヤピアスです。大手ブランドでは国際ブランドを中心にファンシカットの一粒ダイヤピアスを採用しているブランドは稀でミキモトは品揃えが豊富です。
婚約指輪や結婚指輪でも人気の高いプリンセスカット(20万円)、今にもこぼれ落ちてしまいそうな曲線が美しいペアシェイプ(25万円)、もちろん定番のラウンドブリリアントカットカット(24万円)もあり、どれも18K(ホワイト)だけの展開です。
50代におすすめしたいピアスは、動きのあるペンダントタイプの一粒ダイヤピアスです。特におすすめなのは、ペアシェイプと組み合わせる事で至高の一粒ダイヤピアスとなってくれる事でしょう。
一粒ダイヤピアスはメンズなら片耳だけに
一粒ダイヤピアスはメンズなら片耳だけがおすすめです。
片耳だけにした方がいい理由は、女性と違ってメンズは体格の差もあり、どうしても一粒ダイヤピアスのカラットが大きめになってしまいます。例えば、メンズの場合には小さなカラットだとバランスが悪くなってしまいます。
つまり、一粒ダイヤピアスのカラットを上げて、両耳に着けてしまうと印象に迫力は出ますが、TPOや似合う雰囲気はメンズに左右されてしまいます。例えば、芸能人でなく元野球選手の清原は1カラット以上の一粒ダイヤピアスで注目を集めましたが、誰もにおすすめは出来ないでしょう。
また、メンズで片耳ピアスを着用する人が多い理由は日本だけでなく、中世の騎士道から女性を守る勇気や誇りの象徴として始まり、片耳にピアスをつける習慣だけが今もなお受け継がれているという歴史も語られています。
メンズのダイヤピアスに関してはこちらの記事で深掘りしていて、カップルにもおすすめしたいブランドも紹介しているので併せてご覧ください。
あとがき
一粒ダイヤのピアスは誰もが持っておきたいジュエリーです。
仮に、片方だけ無くしてしまっても、リフォームしてしまい新たなコレクションに迎えるという手もあります。儚いからこそ、一生ものとして育てていたり、子や孫に受け継ぐと喜ばれる逸品が一粒ダイヤのピアスではないでしょうか。